■ 自然吸気口の改良
2006年(平成18年)5月に完成して、今年2017年5月で11年経過しました。家右衛門のパルコン。
今日のテーマは法定自然吸気口について ... 。
マンションや公団住宅ではだいぶ前からおなじみですが、戸建て住宅としては21世紀になってからの高気密・高断熱住宅ブームで話題になった謎の吸気口です。壁面にぽつんと穴が空いていて、通気量が変えられるように中心にツマミが付いていたりします。直径15cm程度のかなり大きな穴なんです。私はこの穴が気になって仕方がない ....
・法定自然吸気口(吸気レジスター):直径15cm
過去記事(新築当時)の気密度測定でも紹介しています。その後、我が家では冷蔵庫を隣接させて外気の影響を防ごうとしたのです。それでも台所はちょっと寒い。手をかざすとその風量(流量)はけっこうなものです。
白い樹脂カバーを外してみると室内側の1cm厚の石膏ボードと発泡スチロールの断熱層が見えます。塩化ビニールのパイプが外壁面へ貫いており、外壁面には金属製の網とシャッター付き格子が備わっています。しかもデッカイ穴なのにフィルタが無い!
ちなみに屋外から見るとフードが付いています。
巷では常時塞いでいる人も少なくないようです。
夏は熱風が、冬は木枯らしが吹きこむという迷惑を絵に描いたようなアレです。職場の主婦の皆さんに尋ねてみると、
そう!そう! ナニあれ?
夏は暑いし、冬は寒いし、ワケわかんな〜い!
そもそもどうしてこんなにデッカイ穴が開いてるの?
もしかして気密度が高いがゆえの酸欠防止? 窒息死防止? あり得ないことではありません。煮炊きや暖房を行うと、酸素量が低くなりやすく、二酸化炭素濃度が高くなり頭痛とか。国土交通省が心配して建築基準法に定めてくれたに違いありません。冬は乾いた外気を室内に入れて結露防止にも役立つ? それホント?
御婦人方はそんなことはどうでもよくて、とにかくなんとかならんのか!と言いたげですが。
夏になったら開き、冬は閉じる、春と秋は空けたり閉じたり、いちいち面倒ですね。たいていの人はそんなことは忘れてしまいます。
家全体でみると家右衛門のパルコンでは全てのトイレの換気扇は常に動いています。24時間換気システムのタルカスのファンも2階の吸気と1階の排気が24時間動いているので、これに自然吸気口を加えて考えるとたしかに冷暖房の効率を下げかねません。なんたって直径15cmの大穴ですから(一般家屋やマンションでは直径10cmもよく見かけます)。
この吸気口(レジスター)に付いているフタですが、私も閉じたままにしてみたり、半分開いたり、全開にしたりと、あれこれ試しました。中央のツマミで通気量が変えられる構造とはいえ、閉じてもスゴイ勢いでですきま風が入ってきます。寒がりの家右衛門、最初の数年間は段ボールとガムテープで閉じてみました(笑)。数年後に思い出して開けてみたらキタナイ! よい子はマネをしてはいけません。
じつは、この自然吸気口は外壁吸気面のシャッター扉にツメが付いており、それを外せば完璧に閉じることができます。防火ダンパーとか温度ヒューズと呼ばれる機能ですね。
え?それなら最初からそうやってシャッター扉を閉じておけばいいじゃないかって?
これは燐宅が火災に遭った場合の「もらい火」を避けるための感温遮蔽の機能なのです。金属製の格子付きの小型のシャッター扉はスプリングで閉じるようになっていて、それをつかむようにピンが付いており、火災のような温度上昇で80度を超えるとピンのハンダが熔解して分解して開き、通気口が自動的に閉じるしくみなのです。これで我が家が燃えるのを防いでくれます。単純な構造ですがよくできています。
イザというときは閉じるけど、ふだんはあくまで外気を自然吸気できるようになっているべき物なのでしょう。
パルコンは仮に火災になっても室内の燃焼が収まれば内部をリフォームして再生が可能です。このあたりが木造住宅や鉄骨構造の住宅と決定的に違うところ。私がパルコンを選んだ大きな理由のひとつです。でも、燃えにくいような対策はあったほうがいいですね。
その後どうにかならんかと考えまして、タルカスの電源は止めることも可能です。また、停電のときにはトイレの換気扇やタルカスのような電気駆動の装置は停止してしまうことも考え、このデッカイ自然吸気の穴は換気の役目を残すことにしました。そこで、我が家ではフィルタを設置。
ついでにウレタン消音材も併設。
こうやって開口面積を減らして風量を減らし、屋外の音も減らしつつ、ついでにフィルタで浄化して少しづつ外気を取り込もうというたくらみです。
考えてもみれば、タルカスにあんな高額で立派なフィルタが付いているのに、この大穴に一切フィルタが無いのはおかしい。
流量調整を兼ねた消音材は杉田エースの 配管防音対策 ウレタン消音材 150型 を使用。
フィルターは3M社のエアコン用「フィルタレット」を流用。あれこれ他社製のフィルタを試してみるのもいいでしょう。ハサミで直径15cmぐらいに丸く切り抜くだけ。白い樹脂のフタには脇から漏れないようにお風呂のシール剤「バスコーク」も使いました。
ついでに3台あるエアコンと空気清浄機や車のエアコンフィルタ(外気吸入口)にも使ってみました。
このフィルタはロールの幅広い商品なのでハサミでそれぞれの用途に応じたサイズにカットして使っています。通気の良くないフィルタはファンモーターに負担がかかるので、エアコン用を選び、重ねたりせずに使うほうがいいでしょう。
フィルターの効果ですが、過剰な期待をせず、無いよりマシぐらいでいいと思います。2年おきぐらいに交換して黒ずんでいたら、あぁ、がんばってくれたワケね、という感じです。
また、パルコンに限らず法定自然吸気口の交換部品も各社から出ています。レジスターなどで検索してもいいでしょう。せっかくですから高温で溶けて閉じる防火ダンパー(温度ヒューズ)付きのシャッターを選びましょう。
室内側だけでも部品は出ますから、我が家のような乳白色の樹脂(昭和のレトロ感がある)がイヤな場合は他のタイプへ交換するのもよろしいかと。
【参考】杉田エース 配管防音対策 ウレタン消音材 150型
記事: 2017年6月15日
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