■ 建方(1階部分) 問題発生
S監督に電話をすると今日は臨時の現場監督のT氏が立ち会うことになっているそうです。地縄のときといい、今回の建方といい、コンビニエンス監督というのはいかがなものかと思います。これは大成建設独自のシステムでしょうか? よそのハウスメーカーでもこんなことやってるのかな?
イヤな予感がします........... 現場監督というのはこれまでの事情を把握していて、イザというときに現場の経過と事情にみあった対処が必要なはずです。建物は同じでも環境は同じものが無い。住宅というのはルーチンワークでは済まないはずですが....。
予感的中........ この日は朝早くから工事の進行や段取りでちょっとしたトラブルが起こったのです。この地域では工事は8:30以降に開始することになっているのですが8:15ぐらいから準備にとりかかったらしく、それで一部の住民が「住環境破壊だ、騒音だ、約束違反だ」みたいなことを言って工事を止めろと騒いでいるらしいのです(実際には先住民1人の苦情らしい)。15分のルール違反はこちらが悪いけどそれに過剰に反応するというのはお互い様精神の欠如した人間でしょう。自分の家だって自然を壊して建てたことを忘れたのでしょうか? 加えて悪いことに車両通行許可書の書類の不備(誤字)などいくつかの問題も併発して工事を中断。多くの作業員が現場で誰の指示を待つでもなく途方に暮れています。本来のS監督が不在ですからやむおえません。誰も対応ができないのです。私が現場に着いた少しあとになってT監督が現場に到着。トラブル解決のために臨時のT監督はS監督や本社に電話をかけまくりますが思うように連絡がとれない模様。このままでは今日は建方の作業ができません。1時間が過ぎ、2時間が過ぎ...... むなしく時計の針が廻ります。今日の建方ができないと手配している重機やトラックの費用が無駄になるばかりでなく新たにそれらを手配しなおさねばならなくなります。もちろん重機の拘束が滞ると他の現場の予定も狂います。建方にはクレーン車とオペレータとパルコン板運搬費用と警備員などあわせて約150万円ぐらいかかります。
今回のT監督は年輩の方で経験豊富とみえて問題へのとりくみにあたっては慎重で的確な判断であったと思います。ただ、T監督は今日の今日はじめて家右衛門邸にかかわるわけですから対処の限界はあります。では他に現場のことを理解している人間がいるか? いません。施工業者はいますが彼らでは判断しがたいことが発生しているからです。このままでは今日は作業できません。ほかに誰か使える人間はおらんのか!? ...... そうです、足繁く現場に通って事情がわかっているのは施主の私ぐらいのものでしょう。仕方がないのでT監督・作業員・警備員など関係者が判断に困った事柄のいくつかはやむおえず施主の私自身が独断で作業員に指示しました(現場監督やっちゃったよ)。T監督と協力して問題の解決にあたりました。およそ2時間半後にどうにか事態が収束します... 工事再開。
ふぅ........ 一時はどうなるかと思った...... 。
注文住宅というのは建売住宅とはケタ違いにたいへんなのだと以前にも書きましたが、ここで復習が必要です。家右衛門語録に追加しておきましょう。
「パルコンの現場監督はアナタです」:家右衛門
まぁ、パルコンに限らず注文住宅というのは施主の目こそが最後の砦....
私はそう考えています。
さ、............ 気を取り直してまいりましょう。「建方(たてかた)」の作業がようやくはじまります。
トラックに積まれてPC板が到着しています。家右衛門邸はパルコンにしては小規模な家ですからパネル数はさほど多くありません。とはいえ数回に分けて運搬されてきます。運転手さんの話だと工場と現場の連絡を電話でとりながら高速道路を使って運んでくるのだそうです。組み立てる順番が決まっていて伝票を確認しながらの搬送です。我が家は大きな窓がほとんど無いので御覧のような小窓の付いたパネルが多いです。運び込まれたパネルはたいていどこの位置に配置するのかがわかるほどシンプルな家です。家右衛門邸はパルコンのモデルのなかの「ジェニック」ですから石を彫ったような模様の壁になります。このトラックはクレーン車の位置決めとモルタルやパネル支持具などの準備が整うのを待っています。

重機(クレーン車)の準備がはじまりました。このクレーンは4輪の自走式です。上手に敷地に入っていきますが、よくよくそばで見ていると前輪と後輪の両方が個別に操舵できるしくみです。しかも同相、逆相の両方で前後の車輪がきれるのでキモチワルイです。デッカイ車体のくせに恐ろしく小回りが利くのはたしか。
前面道路から敷地へ踏み込んで作業位置を決めたら4本の脚を張り出して大地にしっかり踏ん張ります。クレーンの足下に「シヨし出張全完」と書いてあります。「ツヨシの出張は全て完了」.....ツヨシは出張が多いらしく、すべてを終えたことを確認せよと記してあるようです。他にもブーム(重機のアーム)の下に入るなとか、旋回注意とか、作業周囲内立入禁止とか、コメントがいっぱい車体に書いてあります。やたら注文の多い車です。
モルタルの準備が始まっています。モルタルをモーター付きの攪拌機でコネています。よく見ていると(私は何にでも興味を示す)、攪拌機のプロペラを傾けてドラム缶の隅に片寄らないように上手に混ぜているのがわかります。ダマにならないように入念です。

納品書を見るとグラウトは「パルグラウト冬用」となっており、他の季節とは区別しているようです。ここにもまた寒中コンクリートや寒中水泳のような冬ならではのアイテムを見ることができます。冬季の施工は建築業界では特別なものなのでしょう。赤いパッケージのパルグラウト、そして緑のパッケージのパルベースモルタル。どちらもセメント系無収縮モルタルです。パルコン建築記録のサイトではもうおなじみ仁田製。パルベースモルタルは基礎と壁材を接着するのに使います。パルグラウトは壁同志の接着や天井の接続に使います。
パルベースモルタルは基礎の天盤に盛って壁材のPC板がそこにのっかるのですが、荷重してもはみ出さない程度に盛るのがコツなのだそうです。とくに外壁はあとでバックアップ材を入れるので多すぎず少なすぎず盛っておきます。バックアップ材やシールについての細かい話は建方が終わったあとの行程で解説します。

さて、パルコン板を運んできた運転手さんは玉掛け職人も兼ねており、トラック上でとても身軽に動き回ります。クレーン車がブームに吊したワイヤーをトラックへ降ろしてやると、スルスルと板の上によじのぼり「ウキッ!」とばかりに、即座にPC板へ玉掛けします。経験豊富とみえて手際が良く身のこなしも素早い。みるまにPC板は青空へと上昇していきます。
備考:玉掛けとはクレーンにブツを結わえる作業のコトです。

壁材は大地と垂直に逆Y型に吊るします。スラブ(屋根/床)板は大地と平行にして4ケ所を吊るします。PC材の形状やサイズによって玉掛けの要領は異なるようです。
家右衛門邸の顔ともいうべきパラレルラインの細窓を持つPC板も舞い上がっていきます。隣の仮設電柱にPC板が接触したときはヒヤリとしましたが難なく通過。やはりウチの仮設電柱が低い(短い)のは当初予測したようにこういった「建方」のクレーン作業を意識したもののようです。お隣さんの建設現場の仮設電柱は少し高いんですね。私はウンウン、なるほどと一人で納得していました。

思ったよりずっと速いテンポで作業が進むので油断していると写真を撮り損ねてしまうほどです。敷地内に降ろされた壁材は基礎のシース筋に刺していきます。他のパルコンでシース筋が多かったり足りなかったり位置がズレていたという報告例もありますがウチは監理会社と施主がしつこく確認しているのでそういったトラブルはありません(ホントに迷惑なぐらい点検しました)。
作業員が右手でクレーンオペレータに指示を出してゆっくり壁材を下げていきます。

クレーンのオペレータは上手いですね、おもわず握手とサインを御願いしたくなります。上下左右の3次元空間を移動させて位置をピッタリにキメねばならず熟練が要求されるところです。難なく作業しているかに見えますが経験がモノをいう世界でしょう。私の知り合いにクレーン操作関係者がいますが玉掛け作業ひとつをとってもコツがあって難しいものなのだそうです(パルコンのPC板はあらかじめ金属のフックが付いていますけど)。
建方職人もとても起用に手際よく組み立てていきます。重い壁をバールを使って微妙にこじりながら数ミリづつ寄せて墨の打たれた位置へ調整しています。よく観察すると時々上下にも板を動かしてグラウトを押し潰しながら平たくならして高さ調整も同時に行っています。上手いもんです。

ここの壁はいったんシース筋に刺さったのですがどうもしっくりこないらしく一旦板を上昇させてシース筋の1本を台直ししています。台直しといってもガンガン叩くわけではなくやわらかく2〜3回叩いただけでした。わずかに曲がるだけで全然違うようです。1階部分の建方では北側壁と南側壁の全体で2箇所を台直ししましたがいずれも軽微な修正ですみました。逆にいえば基礎の段階でシース筋などをしっかり確認しておかないとこの行程で問題が起こるわけです。

壁材はシース筋に刺したままだとグラウトも固まっていないのでフラフラして不安定です。そこで支柱(支持パイプ)をボルトで固定して支えていきます。支柱はネジ山を切ったパイプを回転させることで全長が変化するため壁材の傾きをこれによって調整できるような構造になっています。あとで下げ振りを使って正確に垂直を出していきますが現時点では仮組みなので目測で壁の傾きを決めています(でも案外正確です)。基礎がちゃんと出来ている証拠でしょう。

でっかいクリップとU字鉄筋と串刺し用の鉄筋。これらを使って壁同志を接続していきます。隣り合わせた壁は少しの隙間をおいて配置され、そこへ鉄筋を入れてセメントを流し込む仕組みです。

まずは処置前の状態です。2枚のPC壁の端部にはあらかじめ工場でリング状の鉄筋が埋め込まれています。この写真だと3箇所の窪みが写っていますが1つの窪み箇所に2組のリングが両壁から向き合っています。ここにさきの写真のクリップ状鉄筋を手作業で置いていきます。

こうやって右手を差し入れてクリップ状鉄筋を置いていきますが......... 作業中にウソをつくとコッター筋に手を噛まれるのです。
「パルコン最高! ........... ギャ〜! 痛い!痛い!痛い!痛い!」
異形鉄筋の長い2本をコッターへ刺しているところです。さきほどのクリップ状鉄筋を貫くように刺されます。
あとは壁の最上部の窪みにU字型の鉄筋を刺します。プレキャストのコンクリート板の接続といえばボルトジョイントが基本だと思っていたのですが大成建設ではボルトを使わないんですね。かわりにクリップ状の金具と2本の通し鉄筋とU字形の鉄筋で接続します(写真参照)。

写真の溝にかぶせるように帯板を縦にかぶせてコルク抜きみたいな金具で固定し、壁の上からグラウト(セメント)を流し込むのです。下端部は写真が欠けていて見づらいのですが少しモルタルが盛り上がる程度がちょうど良いのだそうです。壁の垂直補正に使う下げ振りも見かけました。木質の壁材ではないので壁の支持パイプに直接装着して使います。みるみる箱になっていくのです。写真なんか撮ってる場合ではありません。

【パルコンの建方手順】
(1)トラックでPC板搬入。
(2)PC板1枚を玉掛けしているうちにモルタルを基礎の天盤へ盛る。
(3)PC板をクレーンで吊して基礎の指定位置へ移動。
(4)クレーンオペレータに手で合図を送りながらゆっくりPC板を誘導して下げる。シース筋をPC板底部の穴へ入れてさらにゆっくり降下。
(5)板を荷重してモルタルを平たく潰しバールで上下にこじって位置修正(モルタルならしも兼ねる)。シース筋の反り具合が悪いときは板の収まりが悪いのでいったんPC板を30cmほど上昇させておいてハンマーシース筋を軽く叩いて修正。再度PC板を降下させます。
(6)PC板に支柱固定用の穴を開けます。ドリルで穴を開けてピンを打ち(コンクリートの粉が邪魔なときは時々ブロワーで吹き飛ばす)。同様に基礎の耐圧板にも穴を開けます。
(7)支柱をPC板と耐圧板に立て掛けてそれぞれ先端のプレートの穴をボルトで固定します。
(8)固定が終えたらPC板の上に上ってクレーン車へ指示を出しながら吊したワイヤーをゆるめてPC板に掛かっていたフックを外します。
(9)以上の(1)〜(8)の作業を繰り返して全ての1階部分の壁を組み立てる。
(10)壁コッターに接続用鉄筋を配置。同時にモルタル充填帯板用の固定金具も装着。
(11)スラブ(天井/床)を壁材の上に積載して床コッターに接続用鉄筋を配置。
(12)下げ振りを使って壁材の垂直補正を行う。
【ダイナミックな建方ショー】
重厚感のある壁が空中を高く舞い建造物になっていくさまはダイナミックで、これはもう立派なライブです。「建方ショー」と銘打ってお客さんを呼んでビールとポップコーンを現場で売りましょう。東京ドームで下手なイベントを見るより感動します。ドキドキ・ワクワク感という意味では東京ディズニーランドへ行くか、それともパルコンの建方を見るかというぐらい迷います。私ならトラブルで冷汗をかけるパルコンの建方を選びます。もしあなたがパルコンで家を建てるなら、「建方」は見る義務があります。大成建設の契約書にもそう書いてあるはずです。建方を見ない者は非国民です。ゴザを敷いてビールと卵焼きと巻寿司で家族揃って楽しみましょう。
「パルコンの施主において建方を見ざるものは人にあらず」:家右衛門
..........そ、そんなことはないですね。
【建方は続く】
さて、建方は続きますが細部にも目を通していきましょう。玉掛けの作業員も後半戦で交代して今度は2名でやってます。これまた手慣れたものです。チームワークというのはこういうのを指すのでしょう。むしろジョークを飛ばしながらわきあいあいと作業してます。注意深くパルコン板を見ているといくつか不思議な部分を見つけることができます。
例えば、24時間換気システム「タルカス」の通気孔(写真の白矢印)。発泡ウレタンらしきものが充填されています。内部の電気工事の際にタルカスの配管をやりますが、そのときにこの発泡ウレタンを崩して開孔します。
そして、おそらく庇の排水口部分。なんだかカッコイイ。写真の奥に見えるPC板のはじっこが欠損してます、近代青年らしくないなぁ〜〜〜〜。でもこのぐらいはカワイイものです、こんなことぐらいでガタガタ言ってはいけません。他の箇所もよく見ると小さな欠損や補修痕があります。しかしまぁ、100%を求めずいきましょう。全体的には目立つような問題箇所はみあたりませんから。
PC板には銘板(ラベル)が貼ってあるではありませんか。まさしく「注文住宅」を見た気がしました。こんなことを喜ぶのは私ぐらいのものでしょうか? こういった施主心理というのもわかってほしいものです。でも私がPC板製造の工場長なら注文主の名前のほかにこのPC板の製造担当者名と製造日をラベルに記載しますね(表記の番号から追跡すればわかることですが)。ワインや手作り家具などは製作者のサインやラベルがあって責任と品質の証となりますがこのPC板の場合はむしろどこの施主のものか出荷時に「間違えないようにする目印」なのでしょうね。昔の日本の木造住宅では屋根裏の柱に銘が記してあったり、墨坪をわざと置き忘れてあったりしたものですが現代の家にもそういった銘の習慣があってもいいと私は考えています。粋だと思うんですけどねぇ........ 私が大工さんだったら間違いなくそうしますね。
発注者の銘が記されたPC板のラベル 例えばこの家が200年を経て歴代のオーナーがいるとすれば、「そうかぁ、この家の初代は家右衛門さんていう人が建てたのかぁ...」と感慨ひとしおでしょう。そういう家になっていてほしいものです。←解体しないと見えないってば。
【パルコンの300年後】
200年後には日本はアメリカの植民地になっているかもしれませんが300年後に火星人に地球が侵略されていても住めるような快適な住まいであってほしいものです。パルコンだったらちゃんとメンテナンスして環境さえ良ければまんざら不可能ではないかも。 近い将来私が宇宙飛行士になって映画「猿の惑星」みたいに見知らぬ星に不時着するんです。そこでは猿が人間を奴隷にしていて不時着した家右衛門は先住民の猿に「住環境破壊だ、騒音だ」とかなんとか言われて迫害されるんです。それで方々をさまよって海岸に辿り着くとそこには砂浜からニョッキリとパルコン板が........ 家右衛門はその銘板を見てチャールトン・ヘストンみたいに「ぐぉぉ〜〜〜〜〜! おれんちだ〜〜!」と泣き崩れるのです。
【臨時の現場監督T氏にインタビュー】
現場ではじめて臨時監督T氏にお会いしたときは俳優/振付師の藤村俊二さんかと思いました。そういうわけで以下は藤村さんということでまいります。
家右衛門:天気が雨だったら建方はやるんですか?
藤村:やります。ただ、雨が多いときは水が溜まるので上面の穴という穴をテープ等でマスキングしないといけません。
家右衛門:むしろ作業中に足を滑らせたりすると危ないんでしょうね。
藤村:そうです。事故の確率は建設関連では1/7500、交通事故は1/15000と聞いたことがあります、建築は危険な仕事のようですね。足場から落ちるというのはけっこうあります。正確な数字は忘れましたが全産業の死者の6割ぐらいは建設関係らしいんです。なにしろ手摺ひとつをとっても仮設じゃないですか。住宅はそうでもないですがマンションなど規模が大きい現場では前もって救急病院を調べておきます。しかも脳外科医が常駐する病院をです。
家右衛門:脳外科医ですか......。そういえば昔、私の勤務地のビル建設時に足場から落ちた作業員が亡くなったことがありましたよ。
藤村:ヘルメットとスリッパはあそこの箱の中に用意していありますからよろしければ使ってください。
家右衛門:わかりました(こりゃ〜〜、脳外科医のお世話になる前にヘルメットかぶらにゃならん)。
家右衛門:重くて大きいPC板をワイヤーで移動させますが過去に落とした例はないんですか? あるでしょ? あるでしょ?
(じつは同じ質問を監理のT氏にもしたんです。そしたら答えは以下のとおりまったく同じでした。)
藤村:「無いことは無いでしょう。でも珍しいことだと思います。吊すワイヤーが切れたりクレーン車自体が倒れることはたまにありますけど。」
家右衛門:クレーン車が倒れて隣の家が潰れたらたいへんですね。それは施工業者が弁償するのでしょうか?
藤村:いえ、もちろん元請け会社でしょう。原因にもよりますしそれを立証するのは難しいですが、いずれにせよ下請け会社が事故を起こしても元請け会社の大成建設の責任です。
家右衛門:壁の垂直は下げ振りとかを使って修正するのでしょうか?
藤村:そうです。さきほど中でやってましたのでもう終わっています。
【建方はつづく】
まっさらなPC壁の前で懺悔しているところです。嘆きのPC壁といって大成建設では知らない人はいません、こうやって「私はシャブコン打ちました」とか「配筋減らしました」とか「タルカス吸気口の位置を間違えました」とか「雨水桝を高く施工しちゃいました」というぐあいに関係者が揃って壁の前で反省するんです(ウソ)。ホントは建方の図面を見て施工内容の確認中です。

次の写真はスラブ(天井/床)をクレーンで吊しているところです。この角度から見ればわかりやすいですね。なんてわかりやすい写真でしょう。スラブの4ケ所にフックが掛かっているのがわかります。
クレーンっていうのはホントに便利なんです。PC壁やスラブはもちろんモルタルや道具類も一発で上階へ移動できます。ちょっと欲しい.....今や一家に一台。おじいちゃんやおばあちゃんを玄関から直接2階の和室へ。家庭用エレベータよりクレーンのほうがコストも安そうだしメンテも容易でしょう。陸屋根だったら自家用車も一発で屋上がパーキング。前もって車やおばあちゃんにフックの金具を装着しておけば玉掛けの手間も最小限で昇降可能。我ながらグッドアイディアです。
思ったより壁材もスラブも綺麗です、汚れておらずむしろ表面はマット調で落ち着きがあります。こういうコンクリートの表面を見ているとコンクリート打ちっぱなしの好きな方の気持ちがわかります。無機質ですが重厚感がありますね。スラブの一カ所に奇妙な四角い孔を見つけました、この穴は大成建設のオプションで煙突を付けてサンタクロースを招致するためのものだそうです。
じつは、この日に監理会社のT氏が久々に登場。M氏と共に厳しい目でチェックしてもらってます。スラブの厚さを測ったりジョイント部の構造や鉄筋の状態など。本来は2階部分の建方が終わった頃に立ち会っていただくことになっていたのですが、この日は近所の他の現場に来たのでM氏と共に帰りにこちらの現場に立ち寄ってくれたのです。嬉しいじゃないですか。臨時のT監督へいくつか質問したりモルタルやジョイント部の強度についてチェックしてもらいました。M氏とT氏が建物内とスラブ上を検分するときに私もついてまわって両氏に質問したり解説してもらったり。監督さんや職人さん、運転手、オペレータ、監理、そして見学に来た近所のおじさんにまであれこれ話をきく私。こうして得られるものは書物では得られない貴重なものだと感じています。おまかせ施主に比べて5倍ぐらい楽しんでます(苦労も5倍かもしれんけど)。

冬なので陽が傾くのが早く感じられます。くぅ〜〜〜っ! カッコイイ! パルコン板の前でたそがれる玉掛けのお兄さん。
ところでこれは何? 角材にゴムバンドらしきものが接着してあってムチのようになっています。おそらくは建方の親方がサボってる職人を後ろから忍び寄ってバシッ! とか? 施工精度はこうやって保たれていると思われます。それにしては本数が多すぎます。親方が1人ならせいぜい両手に1本づつ2本で充分なはず。約4本見えるので両手両足を使ってしばくのでしょうか? よくわかりません。もっと良く観察すると、角材の全長がやたら長いです。こんなものを室内で振り回すとは考え難い.......。あと、透明な樹脂の帯板を職人さんが屋内へ持ち込んでいましたが何に使うのでしょう? おそらくグラウト充填作業と関係がある模様。
この日、どうにか1階部分の建方を終えました。 なぜかやたらと長い一日でした。
明日はグラウトを充填する作業。そしてその翌日は引き続き2階部分の建方へと行程は進みます。
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