■ 2階のグラウト充填 サヤ管工事 バックアップ材
2006.2.17(金) 曇り時々霧雨夕方小雪
このところ妙な天気が続いているためにグラウト充填作業は見送られています。この日は霧雨でおまけに夕方から小雪まで降ってきました。天気次第で屋根のグラウト充填が行われるでしょう。その間、他の作業も平行して進められます。
1階部分では壁のつなぎ目(壁コッター)部分のグラウトが固まったとみえてカバーのコンパネと白い樹脂製の帯板が解体されつつありました。カバーの下にはまだ水分を含んだグラウトが見えます。1階の天井の治具も次の写真のように作業員が外して撤収しています。今度は親方がしばかれる番でしょう。
部屋の角にはL型断面を持つ金物が埋め込まれています。L型金物の施工前の写真を探したのですがあまりにも写真が多すぎて発掘できずにいます(一度現場を訪れると120枚ぐらい撮影する)。グラウトが固まるまで壁のつっかい棒もまだ当分は装着されたままです。室内移動はこのつっかい棒をよけて歩かねばなりません。足下に気をつけないと屋内にはまだ階段も無くハシゴで昇降しますしワケのわからない落とし穴もあるので慎重に動かねばなりません。忍者屋敷みたいです。
窓にはまだサッシはありませんがサッシのワクを固定するためのネジ穴は最初からパルコン板に装備されています。他のパルコンでサッシのこの金具位置が縦横間違って付いていた例が報告されていましたがなかなか見分けが付きにくいというか気付きにくい箇所です。あとで雨漏りや気密度の問題が出るらしいのでひととおりチェックしたほうがいいでしょう。
2階フロアから階段部分を見下ろすと1階では水道の配管が始まっています。約3mの高さですが周囲に掴むものがないのでコワイです。脳外科医のお世話にならないように注意しつつハシゴをつたって降りてみましょう。
水道ホース(サヤ管)の配管作業です。青と赤の2色の管を基礎の耐圧板に金具とコンクリートピンで固定していきます。コンクリートに釘を打つわけですが冷静に考えると不思議です(釘は木材に打つものという先入観があるせいでしょう)。
【サヤ管ヘッダー工法】
パルコンに限らず最近の住宅はサヤ管ヘッダー方式が主流となりつつあるようです。黄色のポリブテン製のパイプは断熱フォームのサヤに覆われており非常に強固で破損しにくく錆びることもありません。サヤの色を赤(お湯)と青(水)に区別して設置されます。クリーム色のポリブテン樹脂パイプは外径17mm、肉厚2.2mm、直径約2.7mmで厚みは約4.5mm。従来はライニング鋼管(金属パイプ/継手)を使って枝分かれさせて蛇口や設備につなげていましたがヘッダー工法ではいったん主幹となるパイプを設置してそこから蛇口や設備につないでいます。メンテナンス性にも優れるようです。
ライニング鋼管はジョイント部や分岐部分が金属であるためサビが発生するといった問題があり、早いものでは築後5年もしないうちに赤水が出るといいます。私が勤務する現在のビルでも正月休みで1週間ほど放置するとしっかり赤水が出ます(びっくりするぐらい)。トイレやお風呂だけでなく飲料水となることを考えると深刻です。日頃不足しがちな鉄分を補うにはいいかもしれません。
2006.2.18(土)晴れ
昨日まで霧状の雨が降っていましたが今日は天気が良いので屋根のPC板の継ぎ目をグラウト材(セメント)で接着する作業をやっていました。陸屋根というのは単純に平たいのではなく思ったより複雑にできています。屋根は勾配を持たせてあって雨水を回収し、それを雨樋(あまどい)に導くしくみが備わっています。PC板の型枠を設計する段階でそれを1邸づつ行っているのでしょう。巧妙にできています。
1階部分の壁コッターのグラウトはだいぶ硬化も進み水分も抜けて薄い灰色になっています。各部屋を注意深く見てまわるとハイパーポリマーを見つけました。混和剤の一種でしょうか。モルタル接着増強剤(塗布・混入形)のようです。(株)マノールのAE-45 F☆☆☆☆ とラベルに表記されています。近年は建材関係資材はどこでもF☆☆☆☆を積極的に使うようになっています。
屋外に再び出てみると....... たいへんです! 外壁にウナギとフラフープがからまっています!
第三者監理会社のM氏に急いで電話しなくちゃ! 「たいへんなんです! 我が家にウナギが大発生しています! どうしたらいいんでしょう!?」
M氏は冷静です。これらはバックアップ材といってコンクリート材の繋ぎ目に挟んでおいて地震などで躯体が動いたときそれに追従するように詰めてあるのだそうです。あとでその上から防水シールします。白いフラフープは作業員の皆さんが疲れを癒すために昼休みにみんなで屋根の上に集まって腰に廻して興じるものと思っていましたが、れっきとした建材で酒井化学工業製「ミナホーム マルマル」20mmとなっています。
対してウナギだと思っていたバックアップ材はそのパッケージといいますか、梱包材を現場では見つけられずに素性が明らかではありません。おそらく浜名湖産と思われます。
オマケの写真がコレ↓ ベントルーフの正体です。赤い矢印の示す先がウナギとフラフープです。
屋根の一部にやや出っ張って浮いている天井板を発見。周囲との段違いは1.5cmぐらいでしょうか。でもセメントを段違いのまま詰めています。さてはまたやっちゃったのか!?(ワクワク!)....... と思ってすかさず現場監督のS氏に聞いてみました。屋根は真っ平らではなく水はけを考えてややふくらみをもたせてあるのだそうです。陸屋根だからといってまっ平らに作ると水が溜まってコケや汚濁の原因にもなると。しかもこういった出っ張りは珍しいことではなく、たいていは出っ張り部分の周囲をセメントで埋めたうえで(場合によっては出っ張りを少し削って)最後はなだらかに調整するのだそうです。あまり気持ちの良いものではありませんが防水効果や強度には影響が無いので良しとします。むしろふくらんでいなければならないので大いに結構。ここだけへこんでいると困ります。
その後、なだらかに仕上げられて防水塗装してみるとたしかにこの周辺から屋根の四隅に向かってわずかに低くなるようなふくらみになったようです。雨樋へ導く溝の深さにならって施工されていました。
【オマケ】
さて、たまにはキタナイ写真も披露しましょう。建築現場というのは多くのホームページやブログで掲載されているように綺麗ではありません。たいていは資材が散らかっています。ウチの現場も例外ではありません。
・建方が終わってグラウト施工の時点での仮設トイレ付近。
・屋内の造作が始まってからの敷地前面のようす。入口の左手と右手の両脇に資材やゴミが積まれています。
第三者監理のM氏はこれを見ていわく、
近年はこういった産業廃棄物の分類も厳しくてその処分費用もたいへんなものなんです。
確かにヒトの暮らしの衣食住には産業廃棄物や資源の枯渇や環境問題などが密接であり、家を建てることに限らず誰もが知らず知らずのうちに問題の当事者になっているわけです。せめてリサイクル可能な資材を使い、こまめに分類し、大事に使い、そういった意識をみんなで高めるということが大事なのでしょう。
そういえばゴミで思い出しました。今まで住んでいた狭小3階建ての地域はゴミの分類がものすごく厳しかったのです。住み始めてから我が家もゴミ箱の数を増やしてこまめに分類して出していたので自然と分別意識も根付いていきました。当時は早くから都内のうち23区やその隣接地域では分類が厳しかったのです。私の仕事の知人のK奥様は中野区の閑静な住宅街に住んでいましたが町内会で毎週「ゴミ置場の見張り当番」があったといいます。そこでは分別や出し方のマズイ住民をゴミ置場で注意するという徹底した対策をとったのでした。もう10年ぐらい前の話です。もっと前だったかな? ともあれ分別のはじまりはずいぶん昔の話だと思っていたのです........ 。
ところが今回私が家を建てる地区ですが、23区からは遠く離れています。新築現場の近くに仮住まいを借りて暮らし始めるとゴミの分類が恐ろしくいい加減なので驚いてしまいました。ビニールと紙くずと残飯をまとめて捨てて良いというのです。ちょっと困惑してしまいました。 役所に問い合わせてみると、田舎ですから今までの習慣を変えていきなり厳しい分別は困難ですよ..... とのこと。同時に分類してもその対処が不充分な体制のようです。なるほど単純にはいかないのですね。たしかに日本全国一斉に「細かく分別しなさい」は困難でしょう。そして徐々にこの地域も変わっていくようです。ゴミは自宅敷地内に出すという自己責任方式も23区から外側に向かって広がりつつあり、この地域もつい最近(2005年10月)から可燃物のゴミは居住敷地内に出すようになったようです。ゆくゆくはゴミステーションが無くなる方針らしいです。こまかい分別についても徐々に改善されていくのでしょう。
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