■ 1階のグラウト充填
2006.2.15(水) 晴れのち雨
夜現場へ行くと夕方からの小雨で建物は濡れています。静まりかえって建物内には誰もいません(いたら怖い)。真っ暗でとても寒いです... 。今日の昼に壁材同志やスラブの継ぎ目をグラウト(セメント)で埋めていたはずです。残念ながらシース筋へのグラウト注入作業は見逃してしまいました。まぁ、いずれ同様の作業は2階部分で見る機会もあるでしょう。
建方のページで解説した壁コッター(作業員が手を噛まれていた構造の部分)は御覧のようにカバーされてグラウトが詰まっています。合板をコルク抜きのような金具で留めてありますが、正確にはこの合板の内側(セメント表面)には白い樹脂製の帯板が挟まっています。コッターに流し込んだグラウトと合板が癒着するのを防ぎ継ぎ目部分をなだらかに仕上げるためでしょう。
建物内は照明器具が無く真っ暗です。ストロボを焚いて撮影したところ、ようやくこういったゴーバーがあらわになります。よく見ると角材にゴム帯が貼ってあり、前回の解説で建方親方が振り回すと思われていたヤツですね。じつは天井の継ぎ目のセメントが垂れて落ちないように押さえる治具であったわけです。ゴーバークランプは弓なりにわずかに曲げた角材のテンションを利用して拡張方向につっぱる仕組みです。木工の世界でも時々見かけます。
1階の天井にのぼって撮影したのが次の写真。スラブの床コッターにもグラウトが充填されています。鉄筋が数本写っているのがわかるでしょう? この鉄筋は明日行われる2階部分の建方で壁材に刺さるように位置決めすべくスラブ上に埋設するためのものです。
ただ、.......... ここでも問題が発生しています(またか)。
今日は朝から5時ぐらいまでずっと晴れて天気が良かったのですが夕方から雨が降り始めました。前日(2/14)の天気予報では間違いなく夕方から雨になると報じていたので私は気になっていたのですが、これまた不安的中。建築現場の作業員はたいてい夕方5時とか6時頃には引き上げるのが業界慣習です。彼らが現場を離れた直後から雨が降ってきた模様。当然、天気予報は見ていなかったようで養生はまったくありません。今まさに現場では積まれた未開封のグラウト(紙袋)の山が雨に濡れはじめているではありませんか。大雨ではありませんが当分は止む気配がありません。しばらく現場で見ていると一部の床コッターに集中して雨水が流れ込んでいることに気付きます。まだグラウトは硬化しきっていないのでこれはマズイです。コンクリート打設後に初期硬化を待たず散水し続けるとどうなるか? 誰でも想像できます。
結局、この小雨は翌日の午前中まで降り続いたのです。
※ Yahoo天気:2006.2.14(グラウト作業の2日前にはすでに雨が予測できた)
2日間の観察ののち、硬化状態(未硬化)を確認して問題のある数カ所の床コッターのグラウトのやりなおしを要請しました。
写真のように問題箇所の床コッターからグラウトを抜いて水で浸してあります(池になってる)。
そのまた数日後に現場を訪れたときの写真がコレです。このフロアで5箇所の床コッターについてグラウトの充填と補修のやりなおしを行ったことを確認しました。じつはこの問題については発生当初から第三者監理のM氏にも伝えてあり、M氏は現場で未硬化部分を確認してくれました。そのうえでM氏からS監督へ「現場の写真を撮影して是正の経過を報告してほしい」と指示がなされていたのです。しかしその後S監督からの補修過程の報告は受けていません。結果的には私が直接現場でこうやって経過の写真を撮影して自ら確認することになりました。
その後、これらの問題箇所は適切な対処が施され補修は完了しました。
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