この記事は2008年6月に2007年12月〜2008年6月の期間の様子を書いています。
■ Palconの暮らし2年目 住み心地と省エネ/エコライフ
2007年12月
2007年12月某日
パルコンに住み始めたのが2006年の5月。その後1年と8ヶ月が経過しました。2度目の冬を迎えて、次の春にはパルコン歴2年になろうとしています、はやいものです。ところが、ここにきて家内いわく、
「パルコンになって快適にはなったけど、光熱費は前と変わらない。」
過去の光熱費の記録をExcelファイルで見せてもらいました。なるほど、以前住んでいた木造3階建ての家とほとんど変わっていません。それどころか月によっては以前より高かったり....
。 ん? ちょっと待てよ? 車庫を除く居住空間の述べ床面積はだいぶ増えているし、どこの部屋も温湿度の差は少ないし、昼夜問わず安定した居住空間を実現していることを考えれば快適度は格段に良くなっている。むしろ家にいる時間が増えて、夜間の仕事量は倍増していることを考えれば電気代も上がるのは当然、もしかしたら条件を揃えて比較すれば、むしろ割安になったと考えるべきか? う〜む... しかし、光熱費自体はもう少し安くできそうな気もするし、う〜む... う〜む... 。
ネット上を検索すると月額の電気代が数千円というお宅もありますが、どんな暮らしをしているのでしょう?とってもエコで環境にヤサシイのでしょうか? それともたんに貧乏性でケチなのでしょうか? 見習うべきところもあります。我が家ではマネできず困難なところもあります。
電気代だけを単純に世帯ごとに比較するのは賢くありませんね。例えば暖房ひとつを考えても電気以外に灯油、ガス、薪、炭などもあるので、それらにかかる費用も立派な光熱費です。ひとことで「光熱費とか電気代の比較」といっても世の中、そんなに単純ではないのです。比較するにあたって考慮すべき条件を思いつくままに列挙してみました。
・家の居住面積(坪数)や構造(気密/断熱)
・窓の数や構造や開口部面積
・その年ごとの地域の気候(北海道のような寒冷地〜沖縄のよう温暖な地域)
・陽あたりや日照状況
・風向き/風通し及び窓開け習慣
・換気システムの特性や運転状況
・発電システムや蓄電、蓄熱(オール電化、ソーラー発電など)の設備・装置の有無
・使っている家電製品やガス器具の仕様
・電気器具やガス器具や石油ストーブの「使い方」
・家族構成と各体質
・ペットや植栽(熱帯魚からカブトムシまで)
・その他(待機電力や生活習慣のたぐい、暑いときはデパートや図書館で過ごし、寒いときは運動するなど)
ざっと挙げただけでもこんなに条件があります。ネット上の掲示版などに見られる「お宅の電気代はいくら?」なんて議論がいかに無意味かおわかりいただけるでしょう? 正確な比較・評価のためには条件を揃えないと無意味です。寒冷地で40坪を超える大きな家では月額6万円程度の電気代はザラであると聞いたことがあります。私の周囲の仕事仲間では単純比較すれば月額の電気代は1万円〜2万円の世帯が多いです。しかし、本来なら光熱費として灯油代やガス代や薪代もあわせて「光熱費はいくら?」と質問するべきなのでしょう。
ともあれ、光熱費は以前住んでいた木造3階建てのときとさほど変わらないので、その原因を分析して対策を行ってみようと思います。たぶん無駄も少なくないでしょう。改善する余地もいくつかあるはずです。でも、節約することで窮屈になったり別の不都合が出るようであればストレスになるので、バランス良く対処したいところです。
■我が家の1年間の電気代2007年1月〜12月 従量電灯B 60A契約
○冬2007(H19)年01月分 1018kwh 23832円
○冬2007(H19)年02月分 898kwh 21094円
2007(H19)年03月分 744kwh 17581円
2007(H19)年04月分 762kwh 17880円
2007(H19)年05月分 804kwh 18832円
2007(H19)年06月分 614kwh 14525円
2007(H19)年07月分 756kwh 17668円
●夏2007(H19)年08月分 1140kwh 26335円
●夏2007(H19)年09月分 915kwh 21257円
2007(H19)年10月分 767kwh 18108円
2007(H19)年11月分 583kwh 13909円
2007(H19)年12月分 640kwh 15210円
暖房:エアコン3台 + 小型セラミックヒータ1200W +
ガス床暖房(リビングのみ)
冷房:エアコン3台のみ
除湿:エアコン3台 + 除湿器2台(洗濯物乾燥用)
加湿:加湿器2台
一般的な家庭では電力消費の代表的なものは決まっています。最近の住宅ではこれに換気システム(Palconではタルカス)が加わるのです。
エアコン、照明器具、冷蔵庫、換気システム
我が家では今回の住み替えでエアコンはすでに買ったばかり。照明器具も熱線系のものを積極的に蛍光灯電球とLEDに切り換えてきました。これ以上どうせよというのか? まずは電気代が高い理由/原因をはっきりさせねばなりません。
【常時運転しているモノは?】
代表的なものは冷蔵庫と除湿器/加湿器、及びタルカスです。あとはビデオ機器やトイレ便座ヒータといった各種家電機器の待機電力です。
タルカスの電気代:約2000円/月
家右衛門邸パルコンのタルカスの電気代、結論からいえば約2000円です。タルカスはいくつかの給排気装置とフィルタや循環路などから構成されています。循環型換気扇
FY-550LPATS(92W)のほか中間ダクトファン FY-18DPC1WT
(29W)、そして複数のトイレや浴室からの排気用小型独立パイプファン
FY-O8PT7(2.1W)といったぐあいです。タルカス合計で、我が家の場合は約123Wです。1日あたり65円/日となり、1ヶ月あたり約2000円。規模の大きな建物ではタルカスを2セット組むこともあるので、その場合は当然ながら電気代も1ヶ月あたり約4000円というわけです。
これを止めてしまえば!?
今までのパルコンには装備されていなかったので、無くてもよさそうな気もしますね。しかし、綺麗な空気やカビのことを考えると、どうやら動かしていたほうが良いようです。このタルカス、数年前にPalconに採用されて以来、その性能の是非について意見が随所から出されていました。24時間換気でありながらも浴室には停止スイッチを設けたり、ブレーカで停止させる人もいれば、将来的に吸気を温めるしくみも模索されているようです。私自身は住み始めてからしばらくは意識しなかったのですが、最初の夏に冷房の効果を疑い、同じく初めて迎えた冬に浴室がちょっと寒いかなぁ、と思う日もありました。同時に「電気代はどうよ?」という疑問も沸き起こり、以来冷暖房効率と電気代についてあれこれ試してきたのです。ある月は30日間タルカスを止めてみたり、またある月には夜だけ動かしたり止めたり、さらには吸気ファンだけ止めたり排気流量や配分を変えてみたりと、あらゆる条件を試してみました。現在でも試行錯誤は進行中です。現時点で思うには年間を通じて止め続けるのは難しく、経済効果もさほどでも無いように思います。
・冷蔵庫(15年ぐらい前のFUJITSU 410L) → 1ヶ月あたり
2922円
・除湿器(洗濯物の乾燥と室内の除湿) → 1ヶ月あたり654円
・仕事用の電気製品一式(パソコン等の夜中稼働) → 1ヶ月あたり
2118円
除湿器は梅雨時など連続して使う時期にはこの3倍〜5倍になるでしょう。また、除湿器は洗濯機と併用するのが我が家の方式なので洗濯機も消費電力を測るべきです。冷蔵庫は近年、やたら発熱がひどくて怪しいと感じていました。家電製品は省エネといいつつ安易に買い換えるとその製造にかかる二酸化炭素増大の問題も指摘されています。とはいえ調子が悪いのは事実なので買い換えます。洗濯機もかれこれ十数年使っています。
・冷蔵庫 → 買い換え(HITACHI 450L) → 1ヶ月あたり
1312円
・除湿器 → 洗濯乾燥機を導入して夜間電力を活用する方向へ
・仕事用の電気製品一式 → 装置は現状維持、但し電力会社との契約変更を検討
買い換えた洗濯乾燥機はエコワットで計測したところ6kgの洗濯物を洗って乾燥させるのに2.36kwh(約51円)を必要とします。これを夜間電力で行えば20円以下になるはずです。同様に食器洗浄乾燥機1回分の電気代は0.81kwhで約17円、これを夜間電力で行えば約6円になります。その他の家電製品についてもエコワットで調査しました。
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省エネナビで意識も変える
家電製品は買い換えれば確実に消費電力を下げることはできますが、「使い方」はヒトの意識に依存するものです。個人の生活のしかたを簡単に変えられるものではありません。しかし、意識を変える方法として、なにか手があるはず......
そう考えて導入したのがコレ! その名も省エネナビ。家庭のブレーカにコイル(CT)をクリップで留めて測るしくみです。
● 省エネナビ 四国計測工業 RMN-700
http://www.yonkei.co.jp/products/openplanet/energysaving/o001.htm
多機能で、毎時の瞬間消費や24時間グラフのほか、月間、年間のグラフ表示ほか様々な表示が可能です(こりゃ楽しい)。この製品はとても良くできていて、電化上手やナイト10のような時間帯によって変わる契約の電力単価をこまかく分けて設定できます。また、目標値設定や達成率評価も表示します。ちなみに我が家の最低消費電力(照明器具やタルカスなどを止めて家電製品の待機電力のみ)が156Wであることもこれで判明しました。購入にあたって自治体から補助金が支援される地域もあるようです。
● 他社の製品など
財団法人 省エネルギーセンターECCJのサイトには各社の省エネナビゲーション製品を掲載してあります。
(ガス設備やソーラー設備のオプション製品も含むので、よく読んで比較したほうがよいでしょう)
http://www.eccj.or.jp/navi/intro/index.html
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電力会社との契約を変更
我が家では今まで「従量電灯B」という契約でした。超単純にいえば1kwhあたりにつき22円で計算することになります。
さて、我が家の洗濯と乾燥と食洗洗浄機と夜中の仕事による照明器具及び冷暖房の使い方などから検討を重ねた結果、夜間の電力を有効利用する契約に切り換えることにしました。夜間の電力といっても候補はいくつかあります。
「おトクなナイト8」
「おトクなナイト10」
「電化上手」:電気給湯機などの夜間蓄熱式機器等(総容量が1kVA以上)が我が家には無いので契約できない
「深夜電力B」:1kW以上の電気温水器利用が前提。我が家では温水はガス。
「第2深夜電力」:1kW以上の電気温水器利用が前提。我が家では温水はガス。
我が家では給湯器とキッチンレンジと床暖房にガス使っていて、照明器具やエアコンや冷蔵庫などを電気に頼っています。このうち現実的なのは「おトクなナイト8」もしくは「おトクなナイト10」ということになりそうです。これらはオール電化でなくとも契約できますし、1kwhの電気機器(夜間蓄熱暖房機や温水器)などの有無に左右されない契約メニューです。
さて、それではどうやって契約を変更したらいいのか? ホントにナイト8とかナイト10で良いのか? さっそく東京電力に電話したところ担当者(コンサルタント)を無償で派遣してくれるというのです。さすが東京電力。数日後、でん子ちゃんが我が家にやってきました。長い髪をわずか7分のドライヤーで乾かすという達人です。あれこれ資料を見せながら相談したところ、ひとまず10日間ほど計測することになりました。数日後、東京電力からでん子ちゃんの手下がやってきてブレーカにロガー(電気の使用量を24時間計測する装置)を設置しました。
さらに数日後、再びでん子ちゃんから測定結果と変更プランごとの電気代試算などを見せていただき、結論として「おトクなナイト10」を選ぶということになりました。翌日には東京電力から再びでん子ちゃんの手下がやってきて電力量計をナイト10専用に交換。素早い対応です。この日から早速「ナイト10」の契約で電力供給するとのことです。
今まで時間帯にかかわらず、24時間ず〜っと22円/時を払ってきましたが、今日からナイト10です。例えば上図のとおり「ナイト10」は夜間が約8円/時になるかわりに昼間が約29円/時となるしくみです。但し、これは慎重に検討せねばなりません。生活パターンによっては電気代が跳ね上がります(でん子ちゃんの話しによるとけっこう多いらしい)。今回は冬に測定しましたが夏に測ると、あるいは春や秋に測るとまた異なる結果になるやもしれません。また、この契約に切り換えた場合、一部の家電製品は「夜型の使いかた」をするほうが効果が上がります。例えば、洗濯乾燥機、食洗機、浴室換気乾燥機などは可能な限り深夜に運転するほうがいいわけです(タイマー併用も)。冬場の暖房は早朝にエアコンで一気に温めたのちOFFにしておき、そのあとガス床暖房で温めることにします。そうすればガス代も抑制できるはずです。
【注意】 どんな家庭でも契約を変えれば必ず電気代が安くなるわけではありません。試験的に計測するのは1週間〜10日間程度ですからサンプリング期間は短く限られています。夏と冬のように年間2回計測することもあるそうです。なかには「契約を変えたのに電気代は安くならないじゃないか!」と怒るお客さん(←そんな単純な問題じゃないってば)もいるとか。
ちなみにいったん契約を変更したら原則として1年間は契約を変更できません。よく検討し、かつ生活パターンの再検討など工夫・努力することも重要なのです。じつは我が家でも電化上手の契約も考えて、蓄熱暖房機を試したのです。アルディミニ(1kwh)を買って運転してみましたが結論からいえば我が家の生活パターンには合わず1週間で売却しました。パルコンはコンクリート住宅ですから、蓄熱暖房機はむしろ規模の大きい機種で本格的に運転したほうが効率も良いのかもしれません。
2007年(パルコン1年目) 2008年(パルコン2年目)
2007(H19)年01月分 1018kwh 23832円
→ 2008(H20)年1月分 928kWh 19361円
2007(H19)年02月分 898kwh 21094円 → 2008(H20)年2月分 828kWh
14752円
2007(H19)年03月分 744kwh 17581円 → 2008(H20)年3月分 637kWh
11363円
2007(H19)年04月分 762kwh 17880円 → 2008(H20)年4月分 594kWh
12147円
2007(H19)年05月分 804kwh 18832円 → 2008(H20)年5月分 535kWh
11363円
2007(H19)年06月分 614kwh 14525円 → 2008(H20)年6月分 447kWh
9466円
2007(H19)年07月分 756kwh 17668円 → 2008(H20)年7月分 509
kWh 11414円
【目標達成度】
・とにかく夏と冬の最も高い時期の電気代を2万円/月以下に抑える。 → ひとまず冬に関しては目標達成
・電気代とガス代との合計を「光熱費」として、年間を通して2万円/月
以下を目指す。 → 1月と2月は達成できず
2008年の1月は例年と違う点として、1週間ほど蓄熱暖房機を試験的に使ったこと、帰省せずに家で仕事していたことと、親戚が泊まりに来たりして光熱費が増えたことでしょうか。その他の月はだいぶ効果が出ているように思います。
さて、2008年6月現在で思うことですが「省エネナビ」は設置することで直接消費電力を減らしてくれません。しかし常にリビングの目立つところに置いてあるので自ずと操作します。グラフ化されるので直感的です。私も家内も面白がって時々いじってます。じつは電気代のみならず、ガス代や水道代も減少傾向があるのはこの装置を意識するようになったため、と自覚しています。
しかし夏はどうなるのか? 気になるところです。パルコン3年目にかけての目標としましょう。
追伸:2008年7月16日 7月分の電気代を追記しました。去年2007年と比べてかなり節約できています。来年以降がやりにくいなぁ....(笑)
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