■ 電気工事(低圧屋内配線工事)
2006.3.4(土)晴れ
屋内配線業者から封書で「施工図面」が3枚届きました。電気系の屋内配線工事と電話やインターホンならびにテレビ配線についての図面です。大成建設の設計図書(冊子)には含まれていない図面つまり上棟打ち合わせでK社長がパルコン板にチョークで描いてくれた図も含まれています。私としては営業との打ち合わせの時点でこれを見たかったのですが....... 。
その3枚には系統図、分電盤回路表示、テレビ配線系統図、1階の結線図、2階の結線図 が描かれています。
2006.3.6(月) 曇り
さきの上棟打ち合わせで発生した変更点などの打ち合わせで大成建設ハウジング東京(新宿パークタワー19階)へ行きます。
大成建設へ行くのはこれで11回目、通算12回目の打ち合わせとなります。
営業O氏、インテリアコーディネータU女史、設計H氏、家右衛門とその家内そして.......ん? 現場監督のS氏は不在とのこと。う〜〜〜〜む、困ったものです。打ち合わせの結果をあとで監督には伝えてもらうことにします。欠品だった壁紙の再選定や照明器具・電気配線の修正変更について一同で確認。あとでU女史から見積の変更と写真付きの照明配置図を宅急便で私に送ってくれるとのこと。
今回、家右衛門邸のキッチンはコンパクトです(ちっちゃいともいう)。インテリアコーディネータU女史いわくキッチンは手元にも蛍光灯があるので天井の照明器具は一般的に考えると32Wの蛍光灯1本でも明る過ぎるぐらいだと。しかし私は2本64Wにしてくれと強硬。私に言わせれば日本の台所は異常に「暗い」のです。台所を清潔に保ち、彩り豊かな食を楽しむためにも必要以上に明るさを求めるのが我が家流。一般の蛍光灯は点灯してしばらくは明るくなりません、そして使用につれて確実に暗くなっていきます。定格の32Wを発揮する時間というのはじつは限られているのです。
営業O氏いわく照明器具メーカーはまとめて買うのでかなり値引きしてくれるとのこと。実際、見積書を見ると定価の半額以下だったりします。集中購買の成果でしょう。但し、ヤマギワだけは唯一強気で業者に対しても値引きはしないとのことです。デザインやスタイルでどうしてもヤマギワ製品を使いたい場合には覚悟が必要ということです。
あと、白熱電球と蛍光管では消費電力が同じでも明るさの感じ方はまったく異なることはよく知られています。照明器具では光に関していえば明度、照度、輝度、光度などの比較要素がありますが店頭ではそんなものはアピールしていません。むしろ、
(1)電球の種類:白熱電球か蛍光管かハロゲン球か、その他LEDやELなどかどうか
(2)電気代はなんぼじゃ?:インバータ方式かどうか。消費電力または消費効率(lm/W)
(3)蛍光灯はどんな色じゃ? :昼光色、昼白色、電球色、クール
(4)器具そのものの造形デザイン:オシャレであるか、あるいは虫が入りにくい構造とかも
(5)付加機能:調光・タイマー・留守点灯・演出機構など
虫が入りにくい構造のグローブ(多くはアクリルなどのカバー)であったり、グローブと本体を4点支持するか8点支持するかといった問題。照明器具用のリモコンも昔のように手元でON/OFFするだけでなく最近はタイマーで留守点灯させる機能を照明器具本体ではなくリモコンに持たせているのが一般的です。さらにいえば点灯管(スタータ)の有無とか3波長かどうか、ツイン管かどうかといった点も比較検討項目となります。近年はシーリングファンをオプションで付加できるモデルが増えているようです(パルコンはタルカスがあるら空気の循環は要らないかな)。
もうひとつ忘れていけないのが蛍光管は放電管の一種ですからノイズを発生します。つまりラジオを聴く部屋の照明器具はできれば白熱電球をお薦めします(ほかにもLEDやELなんて方法もありますが)。家右衛門邸では重要な要素です。
私の仕事仲間のW氏の実家はトラッキングで火災に遭いました。ホコリがコンセントに付着して湿気をおびて起こる発火現象です。ちなみに家右衛門は20年ぐらい前から住みかえる家屋の新旧にかかわらずコンセントにはなるべくカバーを付けて使っています。他にもテーブルタップ(みつまたとか呼んでコンセントを増やすヤツね)は雷サージ対策品を使っています。今回の引越ではそういった器具類も一新する予定です。電化製品を正しく使い火災に備えることは火災保険よりも大事なことです。
私の職場のM若奥様は父上が消防署にお勤めだとか。その父上いわく、
「消防隊員の家から出火したなんてことになれば世間の恥さらし。そんなことになったら一家心中する!」
とおおせになったとか........
家族に強く防火を習慣づけているとのこと。我々の防火とは真剣味が違いますね。命懸けの防災家族です。
2006.3.7(火) 晴れ
【電気工事が本格化】
現場へ。天井の防水は前回見たときから状態は変わっていません。電気工事が進んでいます。ほかには居室の壁にエアコンのドレインが予定どおり直径75mmで開けられて保護塗料がその円筒内部に塗布されています。それから.........玄関庇の上にはタルカス用の孔があるはずですがまったくその気配無し、以下写真は2階玄関の上部を内部から見たところです。タルカスの吸気口が開いていません。
VVFケーブルやジョイントカバー、ストリッパー、ステープル、などが持ち込まれており次々と配線され職人さんは忙しそうに作業しています。従来の木造住宅の電気配線であればU字型のステープルですが、ここではコンクリート用の4爪ステープルが用いられています。これでVVFケーブルをコンクリートの天井や壁に布設していくわけです。黒い箱が見えるのはジャンクションボックス。屋内用や屋外用がありますがこれは屋内用。タルカス装置で天井が低くなる箇所にはこれに支持脚を組み合わせて使います。
次の写真は照明器具や一般のコンセントに用いる2芯の16線(直径1.6mm)のVVFケーブルです。白が接地側で一般的には左側になるように施工します。コンセントの穴の左側が大きいのは接地をとるためで白い線がそちらにきます。コンセントやスイッチや照明器具といった端子自動ロック機構を備える部品に接続する場合は白黒の被覆は「段むき」にして指定の心線長さを確保しなければなりません(Sスリーブなどを使ったり縒るときは鉛筆むきにします)。写真ではムキ出しの芯線が4cmぐらい出ていますがあとで器具に付けるときは器具のストリップゲージに合わせます。
まだパルコン家右衛門邸はスイッチ類の器具付けがされていない状態なのでひとまず参考のために仮住まいのマンションの器具をバラして撮影しましたので御覧ください。
はい、バラすと御覧のとおり。これはパルコンではありません。
写真に写っている下の回路は左が白い配線、上の回路も白黒ケーブルを引いてきて同様に白を左に配線してもいいのですが線材がモッタイナイので3芯VVFケーブルとワタリ線を使っています。従って戻りは左側であっても赤色になるのです。ちなみにこういった配線器具は圧倒的なシェアを誇る松下(National)。この器具も松下製で写真の黄色の穴が配線を外すためのリリースです、つまり一度挿入したケーブルは抜けないしくみになっており外すには引っ張ってもダメで、この穴にマイナスドライバーを挿してからケーブルを引っ張って抜く機構です。
寒いので暖かい缶コーヒーを工事の職人さんに差し入れしました。喜んでもらいました、話も弾みます。
【電気工事親方インタビュー】
家右衛門:お疲れさまです。よろしくお願いいたします。屋内配線工事の担当ですね。
電気工事親方:そうです。インターホンやLAN配線もすべてやります。
家右衛門:すべて一人で施工するんですか?
電気工事親方:そうです、一人で全部やりますよ。
家右衛門:住電日立とヤザキの電線がありましたが使い分けているのですか?
電気工事親方:パッケージの色は電線メーカーによって違いますが芯線の太さなどはもちろん使い分けています。芯線直径2.0mmの3芯VVFケーブルは配電盤(ブレーカ)から直接つなぐために用います。エアコンやIH調理器や単独で使う機器用の電源は必ず2.0mm以上です。IHは30Aとか使うので標準的なブレーカ(20A)も対応品に交換せねばならなりません。ブレーカは18回路で組み、奇数列に半分、偶数列に半分つまり契約の50Aを25Aづつバランス良く振り分けます。1つのブレーカ(回路)は20Aになっていてブレーカからの引出し線は必ず2.0mmのVVFケーブルでなくてはなりません。ですから1.6mm(いちろく線)が直接ブレーカにつながっているはずが無いわけです。逆に台所のコンロをガスではなく電気のIHで使う場合は2.0mmより太い芯線でなければならなりません。
家右衛門:エアコンなどはもともと定格電力が大きいので単独にしてあるのですね。
電気工事親方:はい。エアコンや電子レンジなどは1つのブレーカ(回路)に1つのコンセントのみをつないで使う前提で少しゆとりを持って設計してあります。ただ、電子レンジのコンセントからテーブルタップで分岐して電気ポットや電気炊飯ジャーなどを一緒につなげば合計20Aを超えてブレーカーは落ちます。
家右衛門:2.0mmと1.6mmの芯線のVVFケーブルはブレーカ直結か機器への分岐給電の違いですね。
電気工事親方:そうです。ブレーカから2.0mmのVVFケーブルで居室まで行くと結束用のボックスがあって、そこからは照明器具やコンセントへは1.6mmで分岐することになっています。
家右衛門:作業室で14A程度の装置を動かすとしたら、そうやって分岐した1.6mmケーブルのコンセントを使うのはちょっと頼りないですよね。
電気工事親方:1.6mmでも17Aぐらいなら連続使用しても充分耐えるし20Aでも耐えないわけではないのですが2.0mmのほうがより安心ですね。
家右衛門:ブレーカの予備が余っているのでその18番の1回路を使って2.0mmのVVFケーブルでコンセントを直結してもらえますか? 確認をとってS監督経由で御願いしますから。
電気工事親方:いいですよ。今なら間に合います。そろそろ木工事が入ると変更はできなくなりますからね。
家右衛門:大工さんが入ると天井を上げる(造作する)ため配線には手が出せなくなるでしょうから、今ここで確認しましょう。
電気工事親方:わかりました、この位置ですね。それではアースも付けておきます(基本的にブレーカにダイレクトな配線はアース付きになるとのこと)。
【その他の配線】
室内から壁の外への電気配線もいくつか行われてその孔をシールしてありました。屋内から外壁へ導かれる電源ケーブルは穴を開けてオレンジ色の保護シースを設置し、シリコン樹脂でシールしてからケーブルを通します。徹底したシーリングによって気密度が高まるわけです。高気密住宅ですなぁ..... 。
ガス管も屋外のものは蛇腹状の被覆がついています。対して屋内のガス配管はフレキシブルな管で折り曲げも自在。
工事の進み具合をみた電気工事の職人さんは「この状況だと3/31の引き渡しはちょっと難しいかもね。3月は決算期だから大成建設さんも急ぎたいのはわかるけど。」......... 施主の私としては内容的にしっかりやってほしいので手抜きして期限に間に合わせるぐらいならしっかり時間をかけてやってほしいことは大成建設側には伝えてあります。どれくらい延びるんだろう? まさか1ヶ月も納期が遅れることはないと思いますが.....。納期・期限にルーズな人や企業は嫌いです。
さて、上水と下水の配管を発泡ウレタンでシールしてあります。黒くて太い配管は厚手の被覆がありトイレやキッチンの汚水排出用です。ウレタンフォームは私も何度か使ったことがありますがクリーム色の泡状のものがそれで接着効果もあり乾くと硬化します。施工にあたっては上向きの作業がつらそう....。このフォームは輸入品のようで国産ではないと思います。
床暖房用のガス給湯による温水管ならびにコントローラ用の縒り線(赤白黒)。ガスを使った温水の床暖房です。モニタキャンペーンのおかげで10畳の床暖房のほか食器洗浄乾燥機、ガラストップレンジなどが家屋本体に付属します。待望の床暖房ですがランニングコストが気になります....。
2006.3.8(水)晴れ
現場監督のS氏へ電話しました。2006.3.7(火)に電気工事親方と話し合って変更した予備ブレーカ1回路に単独で割りあてる件を伝えました。容量の大きな装置を使ったときにブレーカが落ちにくくするための3芯2.0mmVVFケーブル(緑アース専用線付き)の単独回路です。図の緑色の部分が私の指定した変更点。
今までに住んできた家はどれも容量オーバーするとメインのブレーカが落ちてしまって家全体が真っ暗。どこの住まいもブレーカ自体はメインの親ブレーカと部屋配線(家電装置ごと)の子ブレーカにこまかく分けてありますが実際にはなかなかうまいぐあいにオーバーした子ブレーカだけ落ちてくれません。その経験を活かすべく今回はコンピュータを使う書斎のブレーカをまったく別回路で独立させてあります。電子レンジと洗濯機と電気炊飯器とエアコンが同時に動いてメインのブレーカが落ちたとしても書斎だけは生きていることになります。安心して引きこもれます。
ジャンクションボックス部分には照明器具(この場合は埋込ローゼット)が付きます。コンクリート天井面から天井材までは80mmの空壁を確保してタルカス換気システム(ダクトレス)に利用されます。換気システムについてはまたのちほどあらためて..。
だんだん配線・配管が複雑怪奇になってきました。ジョイントカバー(商品名「ナイスハット」)も付いています。よく見るとスラブを貫く配線・配管はことごとく樹脂やフォームでシールされています。機密度を確保するためにしっかり施工されているようです。
【宅内ネットワーク:LAN配線】
LANケーブルも図面を見るとCAT5からCAT6に訂正されていて指示通りです。 LANケーブルは昭和電線電纜(株)の製品です。ショウワデンセンデンランと読みます。たしか持株会社制に組織再編したSWCCグループのひとつでしたっけ。
この日、現場の帰りに近所の家電専門店でエアコンとテレビと洗濯機を見てまわりました。納期(引き渡し日)が確定しないので引越などの手配の予定がたちません。ひとまず可能な範囲内から移住の準備。
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