■ 基礎立ち上がり部の打設(続編)
2006.1.30(月)夕方から夜にかけて晴れ
さて、記事が長くなりそうなので続編として追記します。まだまだネタも説明すべきことも山ほどありますが行程はどんどん進むのでホームページへの公開も実際の行程に遅れない程度にまとめていかねばなりません。
【シース筋の不足箇所】
打設を終えました。このあと冷害に備えてブルーシートで養生しますが、その前に監理のM氏にあれこれ状況を訊くことにします。監理会社というととにかく現場を予定通り見てまわってあとで報告すればオシマイと考えている施主もいるのでしょうけれど、家右衛門は図々しいので積極的に質問してなにかにつけて教えてもらいます(やっぱり迷惑だ)。スキあらば質問責めです。
M氏いわく「シース筋の位置がちょっとおかしいのでは? 本数が足りないようです。」とのこと。手元の図面と実態とが異なるらしい....。私がのちに確認したところたしかに2本不足で、これとは別の1本の位置が違っています。ただ、M氏も私も確認に使った図面は平面図とタルカス設備図です。じつはそれは仮のもので本来はシース筋に関する専門の図面があるはずなのです(というか現場で作業員が持っているのを見かけたんだけど)。
午前中に打設を終えたのでこれから昼休みに入るところでしたが、M氏はそのシース筋の不足箇所について今すぐに確認をとる.......とのことでさっそく現場の職人さんをとおして大成建設へ連絡してくれました。現場の職人さんがまた対応が速いのです。しばらくしたらすぐに返事がきました。それによると「昨日(1/29)間違いなくシース筋配置の検査をやっており、建て込みの人と確認しています」とのこと。全部見てもらっていて問題ありませんという報告をその場で受けました。 しつこいようですが平面図に出ているのはあくまで「仮の」シース筋配置であるわけです。仕様書がらみの図面はなかなか大成建設さんから頂けないことはありますね。
ともあれ問題なくシース筋は設置されていることを確認しました。
【補足】のちに上棟の打ち合わせで頂いた設計図書(図面の冊子)のなかにシース筋の配置図があり、施工と図面が一致することを確認しました。
【コンクリート試験について監理のM氏にインタビュー】
今日、立ち上がり部分に打設したコンクリートは6本のサンプルをとっています。硬化1週のサンプル3本は試験場に持ち帰って7日後に潰して評価します。硬化4週サンプル3本は現場で水中養生(白い合成樹脂製の箱に入れて水に浸しておく)したのち検査場へ持ち帰ってあとで潰して計測するのです(基礎で3本そして立ち上がりで3本の合計6本)。役所ではそのように試験するように言われることが多いらしいのですが民間のマンションではこういった現場にサンプルを置いて養生しながらの検査は行わないことがほとんど。まして個人の住宅の検査は例外的。サンプルは試験場にずっと保管するので実際の建物とは誤差が出るようです。別の機会に私が監理のT氏やM氏に「基礎の現物のコンクリートは大気にさらされているのに試験ピースだけハコに入れて冠水養生しているのはフェアじゃないなぁ...... 近代青年らしくないなぁ.......」なんてボヤいていたら両氏とも苦笑いしてました。
【監理会社のM氏との会話】
家右衛門:コンクリートのサンプルを今回も6本採取したようですね。
監理M氏:耐圧盤のときもそうでしたが一般の住宅ではこういった検査は滅多にやりません。特別に検査会社に依頼するなどして行うことはあります。
家右衛門:サンプルを検査するといっても検査の結果、圧縮硬度が満たない場合はどうするんですか? 4週間経過したら建物の工事はだいぶ進行してしまってますよね?
監理M氏:取り壊しです。
家右衛門:えっ? 壊しちゃうんですか?
監理M氏:結構ありますよ。(← 平然)
家右衛門:ほんとですか?
監理M氏:取り壊しでよくある致命的なものは建物の位置を間違えるとかいった場合ですけど。
家右衛門:レベルとか使って調べながらやっているのに?
監理M氏:大手さんでしたよ。すでに屋根まで出来ていて外壁は 2 x 4 でしたか。瓦が乗った状態でしたが壊してましたね。
家右衛門:壊してもう一回建てなおしですか。費用はどうなるんですか?
監理M氏:会社(工務店)持ちでしょう。
家右衛門:コンクリートの強度が出なくて取り壊す(やりなおす)ことはあるんですか?
監理M氏:あるようです。私は直接見たことはないですが。
家右衛門:スランプを15cmで注文したにもかかわらず実測は17cmでしたが、これはなぜですか?
監理M氏:許容誤差の範囲内ではありますが、よくあるのは生コン車の内部に清掃後の水が入っているとかです。いろんな理由もありますがむしろ注文したとおりの生コンが届くことはないです。
家右衛門:じゃぁ17cmで注文するともっとゆるいコンクリートが届くこともあるんですか?
監理M氏:そうですね。ホントそうなんですよ。
家右衛門:あたたたた.....。ちゃんとやって欲しいなぁ...。
監理M氏:ほかにも.... 例えばとある生コン屋に頼むと....3立米とかこっちも計算して注文しますが必ず少なめで届くことがます。そこのプラントに注文するとなぜかいつも少なめに持ってくるんです。そういったところもあります。
家右衛門:余ったコンクリートはあそこの板の上に貯めてありますが、どうするんですか? さっき施工の職人さんにきいたら捨てちゃうとのことです。なんだかモッタイナイですけど。
監理M氏:いえ、本来は上場で足りないときに使うという意図があったのではないでしょうか。通常はそのままポンプで戻してそのまま生コン工場に返しちゃうんです。しかし余ることはあまりないです。今回はサービスでしょうか。
家右衛門:逆姉歯鉄筋に続いて今度は逆姉歯コンクリートですね。
監理M氏:今なら型枠組んで記念に何か作ってはどうですか? 手形をグイとか.....手が荒れますけど。
私思うんですけど現場に必要な量ピッタリにコンクリートが納品されるものなのでしょうか? 余るならともかく最後の最後で足りないときは水を入れて帳尻を合わせるとかやってそうな気がしますが......どうなんでしょうね。ぜったいやってると思う、私ならそうする(確信犯)。
【シース筋と台なおし】
家右衛門:シース筋の位置がズレていると台直しをしますよね。ハンマーでガンガン叩いてなおすんでしょうか。
監理M氏:ゆるやかに曲げて修正するのが「台直し」であってガンガン叩いて急激に曲げるべきではないです。無理になおそうとすれば変な応力がかかるので好ましくないんです。
家右衛門:全然間違えたらシース筋を切って穴を開けてやりなおすんですよね。
監理M氏:そうです。一般の住宅では全部切っちゃって新たに穴を開けてケミカルアンカーという旭化成などが作っているエポキシ系の樹脂で固めるというのをやります。今回は(L型に曲げてあるシース筋であって)アンカーボルトではないので同様にやるとは限りませんが。
金属疲労が出るほど叩かないとは思いますが配筋の段階で位置決めはしっかりやることが重要と思われます。
2006.1.31(火)雨
夜7時頃 仕事の帰りに再び現場へ出向きました(基礎に関してはとにかく気になって仕方がない家右衛門です)。
氷点下の日が続いているので警戒して養生されたままになっています。S監督の言っていたとおり現場がちゃんと対応してくれている証拠です(放置とも言います)。まずは一安心して現場から引き上げます。帰りにガソリンスタンドに寄ってテレビを見ているとここ数日は天気予報では氷点下にはならず明日あたり雨になりそうです(以下の写真参照)。その後数日間は湿度もやや上昇。いい感じです。
ちなみに天気予報はNHK-総合テレビジョンです。なぜか東京と八王子を分けてあるのが気になりますが(八王子は東京都じゃないのか?)いずれにせよ雨が降るのはコンクリートの初期硬化が終わったあとです。ブルーシートもかぶせてあるので雨の心配の必要もないでしょう。
2006.2.1(水)午後から雨のち曇り
夜8時半頃に地震発生! グラグラ揺れているときでもイスの上でひっくり返りながら現場が心配な私。
「たのむから揺れんといてくれ〜〜〜〜!」
まぁ、立ち上がりの打設の2日後とはいえベースはすでにコチコチに固まっていますし、パルコン板で荷重しているわけではないので心配の必要はありません。千葉県北西部で震源は新戸。現場は震度3の報道。震度5ぐらいになるとちょっと心配かな? じつは、なんだかんだ言いながらその夜、仕事の帰りに現場へ出向いて状態をチェックしましたよ(笑)。
さて、あとは養生期間ということで少しゆとりができます。型枠を外すまでのあいだに基礎への塗料を手配します。今回は施主支給ということで直接水ガラス塗料を私が見つけてきて購入し、S監督から施工業者に指示してもらって塗布してもらいます。少し前の記事にも書きましたが水ガラスそのものはあまり知られていないようです。私もはじめて使いますがはたして効果があるのかどうか? ちょっと実験的ではありますが何も塗布しないよりはマシだと思って試してみましょう。専門書では一定の効果があるというのです。しかもシリコン系やフッ素系塗料よりもいいとか.......別の研究者のなかにはまったく効果が無くて逆にシリコン系やフッ素系に効果を認めている人もいます。私はどうしたらいいんでしょう、困りますねぇ......。 でも私は考えたのです。水ガラスは粒子がナノオーダーで浸透性なのでそのあとからシリコン系やフッ素系塗料を塗布することも可能ですがその逆は困難であると。
本来はちゃんと密度高くコンクリートを打設すれば余計な塗料のコートは必要は無いのですがほとんどの現場では打設後に強い押固めや再振動は行われていません(今回もそうです)。それを見越して私の個人的判断で今回は塗布することにしました。第三者監理会社のT氏によるとコンクリート表面の保護という意味ではまったく塗らないよりも塗布したほうが耐久性は向上するとのことですし。
ちなみに今回使用した水ガラス塗料は一斗缶(約20リットル)で3万円ぐらいです。
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