■ 地盤補強工事 RES-P
いよいよ地業のはじまりです。その前に...... うちは遣方(やりかた)はやらないのかな? ちなみに近所で遣方やってます(Palconではありませんが)。
S監督にメールで質問しておきました。回答によると......
遣り方は基礎工事中に建物の位置、高さを現場に表示するもので、パルコンにおいても設置する事はある。ただし、現場の状況(掘削の際に遣り方が転倒や、歪む恐れのある場合など)によっては遣り方を行なわずにトランシット(測量器)などを使用して基準点より配置、高さ出しを行なう。今回は、工事中に歪み、移動の恐れがあるため、遣り方を設置しない。
ということでした。敷地がちょっと窮屈なせいか今回は遣り方は略しているようです。
【地盤補強工事:RES-P工法による】 2005.12.15 作業時間は朝8時半〜夕方6時頃まで
先に行った地盤調査で部分的に弱い中間層を持つために補強工事を行います。今回は「RES-P工法」です。この工法は大成建設のパンフレットによると以下のとおり。
・大成建設が独自に開発し、(財)日本建築センターに評価された信頼の地盤補強工事。
・約20年間で8000棟以上の実績がある。
・建物基礎を設ける部分の地盤に最長7mの鋼鉄製パイプを細かい間隔で圧入。
・土とパイプの摩擦抵抗とパイプ先端の支持力そして地盤の支持力との複合効果で不同沈下を防ぐ。
・地耐力が30kN/平米(3t/平米)の地盤でも50kN/平米(5t/平米)の標準基礎を用いることが可能となる。
・土中へ回転圧入するので振動や騒音が少ない。
・施工機械はトラック式とクローラー式とがある。
・土を切削しない工法なので残土処理の必要が無く経済的。
・溶融亜鉛メッキ鋼管で耐久性が高い。
さて、今回はクローラー式の施工機械を使います。以外と小さな施工機械で音もたしかに静かな部類でしょう。2005.12.6(火)に前もって頂いていたRES-Pの図面を手に現場へ直行。我が家はRES-P工法で地盤補強した上にベタ基礎になるとのことですから図面を見ながら今どこに杭を打っているかがわかります。よく地表面を見ると青色のビニールのヒモで目印が打たれており、その位置へパイルを打ちます。
補強に用いる鋼管に関しては私がふだん仕事で使っているノギスと巻き尺を持参して現地で寸法確認しました。
鋼管直径:48.75mm
鋼管肉厚:2.41mm
鋼管長さ:5.53m
RES間隔:約54cm〜約57cm(何処も60cm以内)
現場では施工する前に工事管理者(大成建設の現場監督のS氏)の立ち会いのもと、試験杭(しけんぐい)を打って目標の耐力を確認します。目標値が出ないときは杭の長さを長くします。今回は第三者監理会社のT氏とM氏も立ち会っています。その確認のあとで本格的に全領域に杭を打っていくのです。
【RES-Pの施工手順】
はい、それでは以下の写真を御覧ください。たいていは2名で施工するらしいのですがこの施工業者は3名でやってました(写真には出ていませんがもう一人親方を含めて4名)。それぞれ3人には役割が分担されています。手順を説明しましょう。
(1)まずAさんが鋼管を1本つかんできて目印の位置に軽く立てます。そして施工機械(杭打機)と鋼管の距離をBさんへ指示します。
(2)次にBさんは施工機械のヤットコ(モーター部分の名前)の写真赤矢印部分で鋼管をひとまずグイッと押さえてやり、地面に少しだけ鋼管を刺します。
(3)Bさんはヤットコを上昇させたのちシャフトの先端部分を鋼管に差し込みます。鋼管には直径方向にピンが打たれています。
(4)Bさんはヤットコのモーターを回転させて気合いを入れつつ鋼管を土中へ回転圧入します。どんどん地中へ刺さっていきます。圧力をBさんは手元の計器で確認しながら作業します(たまに伊藤園のお茶を飲みます)。
(5)有る程度刺さったらCさんはレベル(測量器:写真赤矢印)を見ながら挿入深さを確認しつつ右手でBさんへ圧入の微量を指示して正確な深さまで埋めるのです。
この土地ではたいていは杭打機のヤットコで鋼管をグイッと押さえてやれば適度に地面に入ります。ただ、地表には堅い部分もありなかなか入らないこともあります。そんなときはいったん地表に穴をあけてから杭を打っていました。硬い部分は無理に入れると土厚(どあつ)でジャミングを起こして入っていかないばかりか鋼管が曲がってしまうのです。たまにチャックをゆるめてシャフトを持ち替えるのはそのためでしょう。硬いところでは50cmぐらい引き抜いて浮かしたりと... 一見すると単純に見えますが難しいようです。しかし見ていると3人の連携はスムーズでとても手際よく作業しています。
【RES-Pの施工業者の親方にインタビュー】
家右衛門:パルコンはどうですか親方?
親方:うちもパルコンですよ。Palconはいい。夏は涼しくて冬は暖かい、俺が保証する。
家右衛門:鋼管を打てば地耐圧が上がるんですよね。
親方:杭打機の計器にも表示が出るけど、見てれば杭打機の柱が振動するんです、そのときは圧が出ている証拠。
家右衛門:杭を打つ目印の箇所には青いビニールヒモがありますね。
親方:あぁ、あれは前々日に自分が打針しておきました。
家右衛門:この仕事は長いんですか?
親方:もう15年以上大成建設の仕事をしてます。大成建設はあらゆる面に関して施工業者に厳しい。工事内容はもちろん、後片付けや周囲の安全管理、迷惑駐車、口のききかたまで指導されんです。問題を起こすと仕事をくれないからね。「昔の職人じゃないんだから!」ということですね。言葉遣いからきをつけます。やることをちゃんとやっていれば仕事はいっぱいくれます、安いけど。
家右衛門:今日の仕事は順調にいってますか?
親方:問題ないと思いますよ。今回の工事の報告があとで監督のもとへ行くことになってます。
家右衛門:図面通り杭を打とうとしても障害物があってその位置に打てないときはどうするんですか?
親方:杭打ちは目標の位置に障害があって打てないときはその両脇に2本打ちます(増杭 [ まししぐい ] と呼ぶ)。そうしないと施主が納得しませんから。そのために今回も11本余計に鋼管を持ってきてます。(親方がアスファルトの道路に以下のような図を描いて解説してくれました)
この日の気温は約4度。見ているだけでも寒くて手がかじかんできました。そんななかでも丁寧な作業をやっていただいて嬉しく思いました。この日は現場入り口でガス工事をやっていてやむおえず反対側の道から迂回して現場に入ったとのこと。そのときトラックを路駐せざる得なくて親方はしょっちゅう現場とトラックを行ったり来たりしていました。いつでもトラックを移動させねばならないからです。そのほか細部まで気を遣って作業してくれていました。
ちなみに翌日私が現場で確認したところ、鋼管は11本残っていました(写真では隠れてすべて見えないけど)。つまり増杭は必要なかったようです。
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